60.続・保険内治療は最善ではないという理由
2007年9月19日
このコラムは「保険内治療は最善ではないという理由」の続編です。
金属バネのある部分入れ歯や、差し歯の不満をいう患者さんも、あいぼりー歯の相談室では目立ちます。この不満についても歯医者側の反論があります。
すなわち、公的保険では国が決めた治療以外できないことになっていることです。たとえば、取り外し式の部分入れ歯の場合、外れないようにするための維持装置が金属バネ(金具)以外はできない決まりになっていますので、見栄えが犠牲になる場合もやむをえないのです。
総入れ歯に違和感を訴える人も沢山います。
たとえば、ピンク色をしたプラスチックの部分が厚すぎることで、違和感を訴える人がいます。しかし、これらの入れ歯にも材料の使用制限がありますので、患者さんには選択肢がないのです。
入れ歯を入れると気持ちが悪くてその入れ歯を一度も使えなかった患者さんもいます。 この選択肢制限と言う点では、差し歯やカブセモノについても同様です。
患者さんは自分の歯の色に合わせて差し歯などを入れてほしいのですが、人工歯の色も保険では制限がありますので、たとえ自分自身の歯の色と違う場合でも我慢しなくてはいけないのです。
以上、このような事情を知っている歯医者が「わたしは保険内でもあなたに最善の治療をしてみせます」と、もし発言しているとしたならば、それはまさに患者さんへの偽善なのです。
もし、そのようなこと自体が分からないような歯医者だったとしたら、それはそれで患者さんにとっては、もっと不幸なことになるわけです。その見極めが患者さんにはむずかしく、まさに歯医者選びは運試しともなるわけです。
歯科医療は内科医療のように自己治癒力や薬に期待できるような分野ではありません。あくまでも歯医者の腕前によって治療結果が左右される要素が高い医療分野なのです。
そのような点を考えますと、やはり歯科医療に関しては、患者さん自身も、「保険内治療はとりあえずの治療である」という認識のもとで受診するのであれば治療への不満やトラブルも最小限に回避できるのではないでしょうか。皆さんはどうお考えでしょうか。
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