58.フレキシブルデンチャー補足情報
2007年9月10日
このコラムは掲示板に投稿されたフレキシブルデンチャーについての質問に回答した室長のコメントをまとめたものです。
フレキシブルデンチャーに関しては
産経新聞に取り上げられたフレキシブルデンチャー
バルプラストとフレキシブルデンチャー
上記コラムも併せてお読みください。
フレキシブルデンチャー(下の写真左側)は、通常の金属バネ式の入れ歯(下の写真右側)よりは歯ぐきへの負担(粘膜負担)は大きくなります。
しかし、金属バネ式の入れ歯は逆に入れ歯を支える歯への負担(歯根膜負担)が大きくなる傾向がありますので、どちらの入れ歯が優れているかは一概に判断できません。

歯科医・歯科技工士の技術、患者さん自身の口腔の状態、アフターケアによって、入れ歯の耐用年数には差が出ます。
歯ぐきへの負担が大きくなればアゴの骨が痩せてきますし、歯根膜(歯を支える歯ぐきの中の組織。クッションの役目をしています)への負担が大きくなれば入れ歯を支える歯がぐらついてきます。
長い間に部分入れ歯が合わなくなる原因といえます。
フレキシブルデンチャーの耐用年数についてですが、残念ながらまだ「未知数」とお答えするしかありません。確かに3年以上使用されている患者さんはいるにはいますが、国内での歴史も浅く、まだまだ試験的段階です。
3年位が耐久性の目安だと思います。
率直に申しまして、フレキシブルデンチャーはまだ課題が多い入れ歯といえます。フレキシブルデンチャーの利点は
- 金具が使われないので見栄え(審美性)がいいこと
- 金属アレルギーの患者さんには適していること
- 経済性でいえば、通常の自費(保険外)の入れ歯の約半額であること
欠点は修理がきかないため、口の中で合わなくなった時に新しく作ることになり、逆に割高になる可能性もあるわけです。他には以下の点があげられます。
- 手入れが悪いと通常の入れ歯より汚れがつきやすいこと(プラークの付着)
- かみ合わせや、適合の調整がむずかしいこと
- 奥歯が連続して欠損している場合は適合が悪くなる確率が高くなること(アゴの骨が痩せるため)
やはり歯を失った場合の治療は、インプラントがこれからの主流になることでしょう。残念ながら、取り外し式の入れ歯が上手な歯医者さんは今ではほとんど存在していません。
いずれにしても、歯医者さんや歯科技工士さんらの技術的裏づけがない限り、どのような入れ歯であっても高額な費用をかけるのは危険です。
あいぼりー須藤による良い歯医者の見つけ方〜歯科技工士から見た歯医者の実態ブログを公開中です。