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57.輸入義歯問題〜医師の絶対性

2007年6月29日

海外輸入義歯問題が歯科技工士側から提訴される旨の報道が先日の朝日新聞に掲載されていました。
2007年06月22日 asahi.com:「入れ歯の輸入認めるな」歯科技工士80人、国を提訴 - 社会

輸入義歯を技工士が集団で提訴すること自体は歯科医療問題に一石を投じたわけで、それなりに注目に値します。今回の提訴も単なる利害関係の問題として矮小化することなく、これを契機としてより深い歯科医療問題に発展することを期待したいところですが、今の歯科医師と歯科技工士の力関係ではむべなるかなでしょう。

つまり、歯科医療に限らず、医療というものは医師絶対の世界なのです。
たとえば歯科の場合、歯科技工士は歯科医師の指示のもとで義歯類を作ることが法律で明記されています。

従って、歯科医師の判断で義歯類を中国から輸入しようがベトナムから輸入しようがアメリカから輸入しようが自由なのです。国の視点も厚労省の見解にもあるように医師の性善説が今のところ優勢なのでしょう。さすがに保険内義歯までも輸入するとなると法律の整合性に問題がありますが。

もし、医療が患者本位の医療であるというのであれば、歯科の場合、歯科技工士が歯科医師と対等の関係にならなくては本当に満足できる義歯などできないでしょう。
現在は歯科技工士が歯科医師に逆らってまで患者側に立つことなど不可能です。たちまち失業してしまうでしょう。

口腔内ケアについても歯科衛生士は歯科医師のもとでなければ仕事ができませんので更に深刻な立場になっています。歯科技工士は独立開業することができますが、歯科衛生士は歯科医師に雇用されることが前提となり独立することもできません。

つまり歯科医師の責任はそれだけ重大なのですが、果たして患者に対してそれだけの責任感や使命感を抱いて医療に取り組んでいる歯科医師はどれだけいるのでしょうか。

医科も看護師の権限が医師と対等であれば医療ミスも軽減されるはずです。冒頭のタイトルの所以もここにあります。裁判の結果が気になります。

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