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43.歯科医療は非常な危機に直面している〜長文です

2006年5月9日

以下の文は、某新聞に投書し、当然ながら不採用になったものです。一部修正して掲載します。

私は30年間にわたる歯科技工士としての経験を生かし、5年前から歯科医療コーディネーターという仕事をしています。
歯科医療コーディネーターとは、患者側と歯科医療機関側との間に立ち、治療が円滑に終了するためのアドバイスや、患者側の代理人をする仕事です。

その仕事上、患者側の多様な悩みや要望を聴く機会があります。そこで痛切に感じることは、現在の歯科医師の職業倫理の低さと、それに伴う患者側の大きな不信感です。
歯科医療の大部分は自己治癒力が期待できない分野であり、歯科医師の技量によって治療結果が大きく左右される分野です。
しかし、現状の歯科医師養成教育は肝心の実技実習が著しく不足しているのです。

また、必ずしも最初から歯科医師を目指す者だけではなく、医師としては不適格としか思えないような倫理観のない者もいるのです。その上、歯科大学の乱立による歯科医師の供給過剰もあり、特に都市部での新規開業が目立っています。

その結果、経済優先となるような過剰な治療に走る歯科医師も多いのです。(質より量的な健康保険の出来高払い制度の弊害)
いうまでもなく真剣に歯科医療に取り組んでいる歯科医師もいるにはいますが・・・。

私たちの相談室での1300人以上の事例の多くは、皮肉なことに保険内診療よりも、自由(保険外)診療での苦情が圧倒的なことです。
その中でも特に多いトラブルは説明不足と技量不足に起因することですが、より深刻な事例としては顎関節症があります。いわゆる“噛み合わせ不全”治療です。

近年になってから顕著になってきたこの疾患は、ストレスとも関連しているなど、非常に高度の技量が必要であるにもかかわらず、安易に取り組んでしまう歯科医師もいます。
その結果、患者はさらに重篤な症状となり、頭痛や不眠・腰痛、歩行困難などの体調不全だけにとどまらず、いわゆるドクターショッピングを繰り返したり、家にひきこもってしまったり、精神科で治療している患者もいるのです。

これはほんの一部の相談事例にすぎません。このような原因を作っている技量不足な歯科医師や、倫理観が欠落している拝金主義歯科医師は猛省してほしいのです。
このような事態が続けば、いずれ歯科保険医療制度の根幹を揺るがせかねない深刻な事態に至ることも考えられます。

しかし、このことを歯科医療従事者だけの問題として矮小化することなく、特に文部科学省や厚生労働省らの行政府関係者も、歯科医療への不信感解決に真摯に取り組んで頂くことを切望します。

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