27. 認知症(痴呆症)の予防と入れ歯
2005年7月28日
最近では認知症の予防や改善に歯が重要な役割を果たすことが知られています。
東北大学歯学部の渡辺誠教授らの研究グループでの調査によりますと高齢者で健康な人の歯の数は平均14.9本とのことです。それに比べ、認知症の疑いがある人は平均9.4本だそうです。調査された人数は不明ですが。また、195人の高齢者の脳組織をMRI(磁気共鳴画像)で調査したところ、残っている歯が少ない人ほど脳組織の容積が減少していたそうです。
日本歯科医師会でも80才で自分の歯の数を20本以上残そうという「8020運動」というキャンペーンを行っています。自分の歯がほとんど残っている人は幸いですが、大多数の人は残り少ない歯に、合わない入れ歯で苦労をされているようです。
逆説的な言い方をすれば、合わない入れ歯を我慢して使っていることで、残りの貴重な自分の歯が失われてしまうのです。現在、「入れ歯安定剤」と言う商品が市販され重宝されているようですが、専門的な立場で見ますと望ましいことではありません。
むしろ、歯科医師や歯科技工士としては恥ずかしいことなのです。
ピッタリした入れ歯であれば数十年も長持ちし、「入れ歯安定剤」は不要なのですが、そのような物が患者さんに人気があるということは、いかに合わない入れ歯が作られているかの証明にもなるわけですから。
少し話は変わりますが、いわゆる老人ホームなどの入院施設で食事時以外は入れ歯を外すことを要求されている人もいるようですが、折角ピッタリした入れ歯でも長く使わなければ合わなくなります。ピッタリした入れ歯こそ認知症の予防にも効果があるのです。
正しいかみ合わせで唾液の量も増えますので免疫力も向上しますし、食べ物もおいしく感じられます。
医療者側も病院の規則を主役である患者さん側に寄り添った柔軟な対応となるようにしてほしいものです。
あいぼりー須藤による良い歯医者の見つけ方〜歯科技工士から見た歯医者の実態ブログを公開中です。