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13.最近のカウンセリングでの思い

2004年5月15日

若い患者さんがご自分の歯を失う場合、特に前歯を失うことは、精神的な面での喪失感も大きいと思います。又、入れ歯を初めて入れざるを得ない時も、何とも云えないユウウツな思いになるでしょう。 果たして、どれだけの歯科医がそのような患者さんの切ない思いを真摯に受け止めているのでしょうか。

患者さんの中には、その後でも心ない歯科医の対応や、技工士も含めた技術の未熟さによって更に追い討ちをかけられる場合も珍しくありません。

そのような体験によって、今まで明るい性格だった患者さんが、消極的になり自宅に引きこもりがちになったり、逆に、歯科医への嫌がらせ的な行動に出たり、重篤な場合は精神疾患を発症させてしまいます。 最悪な場合、自死を選ぶ患者さんさえいらっしゃるのです。

そのような患者さんが、それぞれの複雑な思いを胸に抱きつつ、渾身の勇気を出してカンセリングに来室されます。 そして、私たちとのカウンセリングの際、今までの悪質な歯科医療を思い出し、感極まる方も数多くいらっしゃいます。

ご自分がいろいろな本や雑誌、インターネットなどの情報を頼りに苦労されて見つけ出した名医?での治療が裏切られた場合は尚更です。 中には、家族の方にも、そのような悩みを話されず、私たちに初めて今までの悩みを話される患者さんもいらっしゃいます。冷静になるべき私たちも思わず熱い思いが込み上げてきます。

しかし、不思議なもので、最初は私たちにも不安や不信感を抱かれた患者さんも、何か凍り付いていた心の氷が溶け出したように、くつろいだ笑顔を見せて頂けます。

歯科大学でも、知識や技術の教育以前に、患者さんの心の痛みが感じ取れる人間教育が望まれます。とは云え、このことは教育以前の問題かもしれませんね。せめてコミニュケーショントレーニングのようなことを重視してほしいものです。

などと、偉そうなことを言いましたが、私自身が幼児期に自閉症的傾向があり、人付き合いが苦手で、その為に、無口でも通用する歯科技工士の仕事を選んだことを考えると、現在のこの仕事は、いろいろと感慨深いものがあります。

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