あいぼりー歯の相談室 > デンタルコーディネーター養成講座 > 患者にとって歯科医療コーディネートとは
医療ジャーナリスト 油井香代子さんに「歯科医療コーディネート」について寄稿して頂きました。
歯科医療に対する苦情は多い。
その多くが患者と歯科医療者との意思疎通がうまくいかないことが原因のように思う。患者が抱いていた治療結果と実際の治療とが、必ずしも一致しないことは、決して珍しいことではない。患者と医療側には圧倒的な知識や情報の差がある。
医療側が良かれと思って行った治療が、患者にとって予想外ということもよくある。医療側にとって当たり前のことが、患者には初めて聞くことであったり、言葉や画像で説明されても、よくわからないこともある。あるいは、患者の切実な訴えが、医療側にはたいしたことではないように捉えられることも多い。いざ、治療の流れに乗ってしまうと、患者は質問や希望を十分伝えられないことも日常茶飯事だ。
だからこそ、患者がもっとも必要としているのが、歯科医を選ぶときの基本的な情報だ。医療における情報開示ということが言われて久しいが、現実はそれほど情報がオープンになってはいない。
医療機関はホームページ等で情報を発信しているが、当然、自らに不利な情報は出さない。患者は歯科医を選べることになってはいるが、選ぶ基準も確かな情報も、なかなか得られないのが実情だ。
情報はあふれているが、本当に必要な情報は実はそれほどたやすくは手に入らないのが、今の歯科医療全般に言えることだろう。
情報があふれる時代だからこそ、医療側と患者の意思疎通を図り、患者が本当に知りたがっている情報を提供するシステムが求められている。歯科医療コーディネートは、その意味でこれから必要とされる役割といえるだろう。当然のことながら、情報提供は患者の利益になることが必要条件となる。
そして、技術的にも優れ、誠実に診療に取り組んでいる歯科医療者のためにも、必要な役割となるはずだ。
2008年1月28日
医療ジャーナリスト 油井香代子
医療・健康・女性問題をテーマに新聞、雑誌などで取材、執筆。テレビ、ラジオなどで医療問題についてコメント、解説も行っている。医療ジャーナリスト。著書多数。